muuchan-sensei’s blog

プロ飼い猫であるむーちゃん先生が飼い主の独り言をまとめている。飼い主は都内の某外資系IT企業で社畜ライフを満喫しながら日々何かを模索しているらしい。

高い(≒良い)ものしか買わない理由

この間ランニング用のイヤホンを買った。

 

今メインで使っているものははBOSEノイズキャンセリングイヤホンなのだが、肩掛けが割と大きく、走ると肩にガンガン当たってしまうためシンプルにコードで繋がっているものを買った。

 

完全ワイヤレスではなく紐付きを買ったのは、トレーニング好きの友人から音楽を聴かない時の収納先に困るからというアドバイスを聞き、なるほどなと思ったから。更にイヤホン同士が磁石でくっつくため、ネックレスのようになるものを買った。

 

BOSEの完全ワイヤレスも気になっていたのだが、もちろん高いし、Amazonで3000円ぐらいのものを見つけたので始めはこんなもんで良いかと妥協したのが全ての元凶だった。

 

届いたので早速弄っていると、どうやら3つあるボタンのうち、真ん中のボタンを押し続けると起動するらしい。しかし押し続けても一向にランプがつかない。出荷時に充電していなかったのかな?と思い早速充電を開始した。

 

10分ぐらい経ってから、流石に起動する分は蓄えられただろうとスイッチを押してみるが、一向に起動しない。結局フル充電を示す青いランプが点灯するまで起動しなかった。

 

起動後早速聴いてみた。カナル型のイヤホンは少し窮屈だったが思いのほか音は良い。3000円でいい買い物したなと満足していた。

 

ランニング当日、起動しようとしたが一向にランプが付かない。おかしいなと思い充電すると充電中の赤いランプが付いた。完全な故障ではないと分かったが、どうやら電源が切れてなかった?ので充電が全然無かったよう。ガッカリしてその日はイヤホン無しで走った。

 

その夜は、フル充電し、しっかりと電源を消したことを確認し、明日に備えた。

 

次の日起動してみるもまた付かない、、再度ガッカリして今度は充電したまま当日を迎えた。

 

次の日は流石に起動した。ホッとして着用後走ってみると、ポロポロとイヤーチップが外れる。何度も外れる。走っているので少しストレスが掛かっているから余計にイライラしてぐるぐるっと丸めて排水溝にぶち込みたい衝動に駆られたがぐっと堪えた。また、コードの擦れ音もかなり気になる。正に安物買いの銭失いだと激しく後悔した。

 

そもそもなぜ今回の出来事で激しく後悔したんだろうと色々考えていると、一つ思い当たることがあった。

それは、仕事柄顧客体験について学ぶ機会が多いのだが、「顧客体験の教科書」という本を読んだ時のことだ。

 

かなり端折って内容をまとめると、要は「お客様は期待以上のサービスを求めているのでは無く、期待していることが期待通りに実現されることを望んでいる」ということ。

 

例えば飛行機に乗る場合、機内食が美味しいだとか、CAの対応が丁寧だとか、その辺りはあくまで付加価値であって、時間通りに離陸して、時間通りに着陸、預けた荷物が破損なく受け取ることができればそれで良いのだ。

 

イヤホンに話を戻すと、音質が最高だとか、見た目がカッコいいというのはあくまで付加価値である。当たり前のように充電ができ、Bluetoothの通信が途切れにくく、イヤーチップが簡単には外れないといった、音楽を聴くため(スポーツ用なら尚更)に最低限必要な機能が備わっていれば一旦満足なのだ。

 

高機能については2種類の解釈がある。1つはどれ程色々なことが出来るかということ。もう1つは、どれ程実現したいことがストレス無く簡単に出来るかということだ。

 

特に後者について重要視している。BOSEの宣伝みたいになってしまっているが、本当にイヤーチップは外れにくいし、スマートフォンとの接続もスムーズだし、その他アプリケーションについても使い手への配慮が伝わってくる。

 

BOSEより音質の良いイヤホンはいくらでもあるが、上記のようなユーザビリティに高いお金を払っていると言っても過言では無い。

 

そうした物選びをすることで、日常の無駄なストレスが減り、集中力を本業へ注ぐことが出来るのだ。結果更なる仕事の成果を生み、投資を上回る報酬を獲得、更なる投資、、、といった正のスパイラルを生むことが出来るのだ。(そしてお客様のことを考えた製品を選ぶ、実際に使うことで、そうした視点が育まれ、仕事の質が更に高まるという副次的な効果もあると考えている)

 

当たり前の期待が当たり前に叶えられることがどれだけ大変かを普段から考える人は(自身も含め)少ないように思う。その「当たり前」には多くの企業努力、コストが掛かる。だから値段が多少張ってしまうのも当然だ。

 

しかし、しっかりと身銭を切った上で、その分の気持ち良い時間を享受することで、人生を豊かにしていきたいと考えている。